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「ご縁の地・出雲」女子旅を呼び込む観光プロモーション:Web広告とサイトアクセス、来訪データで導く“効く”コンテンツとは

「ご縁の地・出雲」女子旅を呼び込む観光プロモーション:Web広告とサイトアクセス、来訪データで導く“効く”コンテンツとは

出雲市

2026.01.06

KEYWORDS

  • #SNS広告
  • #Webサイト来訪計測
  • #観光DX
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出雲市は、島根県中東部に位置し、出雲大社をはじめ、稲佐の浜や出雲日御碕灯台など、神話・歴史・文化・自然が調和する名所を数多く有するまちです。縁結びの聖地として全国に知られ、四季折々の表情を見せる自然景観や、夕日に染まる日本海を目当てに訪れる観光客も少なくありません。

同市では、観光地としての魅力をより多くの人に届けるため、人流データを活用した観光デジタルマーケティング施策を実施。unerryとの連携により、「ご縁旅」「女子旅」をテーマにした広告配信と、公式観光サイトの閲覧者の“実来訪”を計測しました。

本記事では、広告配信とWebサイトの両面から、データに基づく観光集客強化とその効果の可視化に取り組んだ出雲市の事例をご紹介します。

取材にご協力いただいたのは、出雲市役所 観光課 観光政策係 原 育也様です。

<この記事のポイント>
● ターゲット×媒体×クリエイティブの掛け合わせで精度を向上 来訪単価を前年比55%改善
● 人流データで“来訪可能性の高い層”を抽出 効果的な広告配信を実現
● 公式観光サイト閲覧者の“実来訪”を可視化 県外からの来訪を促すコンテンツを発見

人流データをもとに「来そうな人」に届ける 媒体特性を活かした出雲市の観光プロモーション

出雲市では、2024年秋から冬にかけて、YouTube・Instagram・GDN(Google Display Network)の3媒体を活用したデジタル広告キャンペーンを展開しました。2023年度施策の実績を踏まえ、より効果的な媒体構成とターゲティング設計へとアップデート。また、より訴求ポイントをシャープに伝えるクリエイティブ制作を行ったことで、出雲の魅力をより的確に届けられる設計としました。

ターゲット設計にはunerryの人流データを活用。①過去2年間に出雲市を訪れた方②全国の有名寺院・仏閣への来訪経験がある旅行者③旅行好きの女性 を配信対象として設定しました。過去の行動データをもとに、「実際に出雲を訪れる可能性が高い層」に焦点を当てた精度の高いターゲティングを実現しています。

また、各媒体において特性に応じた役割分担を設計しました。Instagramは「興味関心を持つ層に向けたクリック獲得」を重視し、YouTubeは「動画による来訪意欲の醸成」、GDNは「広域リーチ」を担い、出雲の魅力を発信しました。

クリエイティブは、ターゲットに沿った訴求を意識し、本年度は「ご縁旅」と「女子旅」をテーマに展開。女子旅や美しい景色を中心に構成した素材、季節感を取り入れたビジュアルの反応も良好で、タイムリーな訴求がターゲット層に届きました。

画像提供:出雲市

ターゲット・媒体・配信地域・クリエイティブの掛け合わせを検証し、表示回数やクリック率、来訪傾向など複数の指標をもとに運用を最適化。前年から一人あたり来訪獲得単価は約55%改善し、データに基づくPDCAを重ねることで、配信設計の精度と効率が大きく向上しました。

人流データに基づくターゲティングと、媒体特性を踏まえた運用・クリエイティブ戦略の掛け合わせが、観光プロモーションの効果向上に大きく貢献しました。

Webサイト閲覧者の“実来訪”を可視化 次の発信・企画に活かせる知見を獲得

今回の取組では、デジタル広告配信の効果測定に加え、公式観光サイトの閲覧者が実際に出雲を訪れたかを可視化しました。

出雲観光協会が運営する公式観光サイト「出雲観光ガイド」に、unerryの計測タグを設置。これにより、閲覧者のおおよその居住エリアや閲覧コンテンツを推計し、どのような人がどの情報に興味を持ち、実際に来訪に至ったのかを匿名かつ統計的に分析することが可能です。「アクセス数」や「ページビュー数」などのWeb上の指標だけでは見えなかった“実来訪”を、人流データとつなげることで評価します。

分析の結果、サイト全体では閲覧者の94%程度が県外からのアクセスでしたが、ページによって特徴の違いが見られました。たとえば出雲市市民も対象となった「出雲の日」イベントのページでは、市内からの閲覧が30%を占めています。

「来訪率」の上位ページを分析すると、「出雲の日」「出雲パワースポットめぐり」「出雲大社駐車場」「ボランティアガイド」が高い結果となったほか、「神門通り特集」に関するコンテンツは来訪に効果があったと推測されます。


コンテンツごとの閲覧層と来訪行動の関係を可視化することで、「どんな情報が実際の来訪を促しているのか」または 「どんな情報が関心どまりで終わっているのか」といった傾向把握が可能です。これらの知見は、今後のWebコンテンツ制作や観光プロモーションの設計において、“成果につながる情報発信”の改善サイクルをつくる基盤として蓄積されていきます。

INTERVIEW

データで裏づけられる観光施策へ 実際の来訪を見える形に

出雲市役所 観光課 観光政策係 原 育也様

——今回の広告配信について、どのような成果がありましたか?

原様:

今回の取組では、昨年よりも確実に効果が見えました。媒体ごとの役割を整理して運用したことで、広告経由の来訪者が増え、費用対効果も改善しました。数字として結果が出てくると、やはり取り組みの意味を実感できます。

――Webサイト閲覧者の来訪計測については、いかがでしたか?

原様:

これまでは、「サイトを見た人が実際に来ているのか」という点がわからず、感覚で判断するしかありませんでした。今回の計測で、実際に来られた方の傾向が数字で見えるようになり、新しい発見がありました。たとえば、どのページを見た人が多く来ているのか、逆に見られていても来訪に結びついていないページはどれか、というようなことがわかります。これは今後の発信内容を考える上で大変参考になります。

――今後の展望をお聞かせください。

原様:

データとして裏づけを持って説明できるようになったのは大きな進歩だと思います。観光の仕事は成果が数字に出にくい部分もありますが、こうして「何人来たか」「どんな情報が効果的だったか」を見える形にできると、次の計画に活かしやすくなります。

今後は、こうしたデータをもとに再来訪につながる取組を考えていきたいです。

住んでよし・訪れてよしの周遊滞在型・通年型観光を出雲で実現するため、戦略的なマーケティング活動を展開していければと思います。

[取材日] 2025年11月1日 ※記載内容は取材当時のものです。

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