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Public dots & Companyとunerry、環境省の「データ駆動型脱炭素まちづくり」を支援  富山市、加古川市、小田原市の移動をデータで「見える化」し、 脱炭素社会に向けた施策効果を検証

施設移転などのハード・制度などのソフト両面の施策を移動データで検証。全国自治体への横展開にむけた「調査・分析モデルの型化」により「EBPM(エビデンスに基づく政策立案)」に対応したまちづくりへ

2022.05.20

PRESS RELEASE

株式会社public dots & Company(本社:東京都渋谷区、代表取締役:小田理恵子、山口勉 以下、PdC)と株式会社unerry(本社:東京都港区、代表取締役CEO:内山 英俊 以下、unerry)は環境省が実施した「令和3年度 移動データを活用した地域の脱炭素化施策検討業務〜データ駆動型脱炭素まちづくり〜(以下、本プロジェクト)」を共に支援いたしました。

令和2年度に続き2年目となる本プロジェクトでは富山市、加古川市、小田原市において地域移動の「見える化」および、持続可能なまちづくりに向けた施策効果をunerryの運営するリアル行動データプラットフォーム「Beacon Bank」に蓄積された移動データを解析することで検証。初年度の成果を踏まえた手法の確立を目指すとともに、3自治体が抱える地域課題解決に向け、官民一体で取り組みました。本プロジェクトにおいて、PdCは官民両方の組織文化に深い知見を持つ「パブリック人材」の独自ネットワークを活かしたプロジェクトマネジメント、unerryは「移動データの解析に基づく施策効果の分析」および「EBPMに向けた分析モデルの型の開発」を行いました。

(※PdCの役割とunerryのリアル行動ビッグデータについては下部記載の補足情報も併せてご参照ください。)

「EBPM」の視点が求められる、データドリブンな「脱炭素まちづくり」

全世界的な潮流である「脱炭素社会の実現」を目指し、日本でも2030年度における温室効果ガス46%削減、2050年カーボンニュートラルなどの目標が掲げられています。CO2排出量削減には、環境保全や再生可能エネルギーへの転換、都市のコンパクト化や持続可能な公共交通網の整備も寄与すると期待され、さまざまな取り組みが実施されています。国際社会を構成する一員として各自治体が取り組む「脱炭素まちづくり」が重要性を増す中、注目されているのが「EBPM(エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキング)」と呼ばれるエビデンスに基づいた政策形成です。本プロジェクトでは、リアル行動ビッグデータの解析をエビデンスとしたデータドリブンな分析と効果検証を行い、環境省、自治体、PdC、unerry 4者が「EBPM」の観点のもと議論を重ね、地域の課題解決と脱炭素に向けた最適なアクションを検討いたしました。

富山市、加古川市、小田原市における政策テーマと成果について

昨年度にも実施している富山市と、今年度新たに実施する加古川市、小田原市では以下の異なる目的で推進されました。

富山市:「移動データの活用による根拠に基づく政策立案(EBPM:Evidence-based Policy Making)の事例作り」
加古川市、小田原市:「移動データを活用した汎用調査・分析モデルの確立」

また、これら2通りのアプローチによって効果検証への有効性を確認しつつ、多くの自治体を集めた成果発表会においては、「新たな自治体ニーズの掘り起こし」を図りました。

■富山市

<テーマ>
ウォーカブルなまちづくり促進のための効果的な施策
中心市街地に車で訪れた人を対象に、来訪後の移動を調査。また、滞在場所の可視化も行い、ウォーカブルな中心市街地にすべく施策を検討した。

<主な成果>
車での中心市街地来訪者は、その後の徒歩移動範囲が半径600m程度に限定されていることが明らかとなった。この結果により、徒歩移動エリアの拡大に向けた「具体施策を強化すべき重点箇所の抽出」や「進行中である施策の検証」にも有効となる可能性が示された。

■加古川市

<テーマ>
中心市街地の活性化と車移動から公共交通利用へのシフトに関する施策
駅周辺来訪者の来訪手段、滞在場所、滞在時間を調査。また、図書館の移転前後の利用者変化を比較し、図書館の駅前移転効果による人流変化を把握した。

<主な成果>
駅周辺エリアへの来訪者の基礎的理解ができたことに加え、図書館を駅前商業施設へ移転したことによる若年層の増加や鉄道を利用した来訪者の増加など、施設利用者の変化・移動手段の変化などが明確化され、施策の効果を定量的に把握することができた。

■小田原市

<テーマ>
公用車のEV化と地元住民へのシェアリングに向けた施策
休日における市所有施設周辺の自家用車低利用頻度を調査し、人流データを可視化した。

<主な成果>
EVシェアの候補地を、候補地周辺における「車以外による外出率」や「ターゲット層」の移動状況などで定量・定性評価することで、データにもとづく候補地選定が可能であることが示された。

いずれの自治体においても、移動実態を可視化したことで、立場の異なるプレイヤー同士がエビデンスにもとづいた積極的な議論を交わすことができました。本年度の成果としては、3自治体の取り組みを通して「施設移転」「表彰制度」「イベント」などハードソフト両面での施策検証においてデータ活用の有効性を得られたことで、全国への横展開に繋がる汎用的な「調査・分析モデルの型」の確立に向けて大きく進捗したことが挙げられます。本プロジェクトは、初年度本年度の成果を踏まえた上で、今後も継続的に移動データ活用の拡大を目指します。

分析結果の詳細については、以下の業務報告書をご覧ください。
http://www.env.go.jp/policy/local_re/r2houkokukai/post_176.html

環境省担当者のコメント

黒部一隆 環境省 総合政策課 政策企画官 のコメント
様々な分野で活用が進められている人流データは公共が主体となった「脱炭素まちづくり」への活用においても、大きな可能性を有する取り組みであると考えております。車から公共交通や自転車、徒歩などへの移動手段の転換による「脱炭素まちづくり」を始め、ウォーカブル、賑わいの創出などに向けた具体的な政策づくりに向けて、人流データの見える化とそれらを踏まえた政策立案を支援するためのツールについて整理検討を行ってまいります。

*本ニュースリリースに記載された商品・サービス名は各社の商標または登録商標です。

■株式会社public dots & Company ( https://www.publicdots.com/ )
代表者  : 代表取締役 小田理恵子、代表取締役 山口勉
所在地  : 〒150-0002東京都渋谷区渋谷2-24-12渋谷スクランブルスクエア15F SHIBUYA QWS BOOSTER OFFICE 7
設立   : 2019年5月
事業内容 :これまでの官・行政のみで主導運営されていた自治体運営の「公共」から、住民・民間企業など多くのステークホルダーを巻き込んだ運営主体で実現される「パブリック」という概念にアップデイトすることを目指し、パブリック人材(※)事業、官民共創事業、自治体支援事業を展開している。(※行政と民間企業の経験や知見を持つ人材を指す)民間企業のコンサルティングや実証実験支援から、自治体行政DX戦略策定支援、自治体人材育成などの他に、オンラインサロンやメディアの運営も行い、民間企業と自治体行政の双方の経験から、官民共創に関する幅広い支援を行っている。

■株式会社unerry ( https://www.unerry.co.jp/ 
代表者  : 代表取締役CEO 内山 英俊
所在地  : 〒105-6415 東京都港区虎ノ門1丁目17番1号 虎ノ門ヒルズビジネスタワー15階
設立   : 2015年8月
事業内容 : 日本最大級のリアル行動データプラットフォーム「Beacon Bank®️(https://www.beaconbank.jp/)」を運営。月間300億件以上の位置情報ビッグデータ、購買データ、独自IoTセンサー等により「実社会をデータ化」し、リテール企業の売上向上に向けた「販促DX支援」や「OMOコミュニケーションプランニング」、スマートシティやMaaSに向けた「人流・混雑解析」「行動レコメンド」サービス等を展開している。

<お問い合わせ>
株式会社public dots & Company
コーポレート contact@publicdots.com

株式会社unerry
広報 内山、柳田 information@unerry.co.jp

補足情報

環境省の「データ駆動型脱炭素まちづくり」におけるPdCの役割とunerryのリアル行動ビッグデータ詳細

■株式会社public dots & Companyの役割について
PdCは、官民の間でデータの分析やそれに基づく議論・検討が繰り返される本プロジェクトにおいて、プロジェクトマネージャーを務めました。PdCの強みは、官民両方の組織文化に深い知見を持つ「パブリック人材」の独自ネットワークを持つことです。本プロジェクトのプロジェクトマネージャーはパブリック人材であり、官民それぞれの特性を理解した円滑な各種調整、進行を行いました。

■unerryの「リアル行動ビッグデータ」採用の背景について
本プロジェクトで利用された「移動データ」はunerryの運営する「Beacon Bank」に蓄積されたリアル行動ビッグデータが用いられました。データは、unerryが位置情報取得モジュールを提供する120種類以上、累計1.1億ダウンロードのスマートフォンアプリより取得されています。日本全国における月間300億件超の個人情報を含まない移動データが「Beacon Bank」に蓄積されており、AI解析で可視化することで、一定エリア内で行われる移動の傾向(移動手段や移動ルート、地点ごとの滞在時間等)を掴むことが可能です。また、データはアプリユーザーの利用許諾済みとなっています。
unerryデータの採用背景としては、主に「調査目的の収集ではないため、データサンプルの代表性が認められる」「全国的に膨大なデータ量が蓄積済みで、より早く全国の自治体へ汎用的に横展開時可能」「個人情報との紐付けを行なっていない」点をご評価頂きました。

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