
人流データ×購買計測で「勝ち筋のペルソナ」を見極める カバヤ食品がタフグミプロで実践した複数セグメント検証
カバヤ食品株式会社
2026.08.26
KEYWORDS
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タフグミプロ
カバヤ食品カバヤ食品株式会社は、「タフグミ」「塩分チャージタブレッツ」など、多くのヒット商品を展開する菓子メーカーです。
柔らかい食感が主流だったグミ市場に、硬めの食感を持ち込んだ「タフグミ」は、女性が中心だった顧客層に男性ユーザーを取り込んだ商品として展開されてきました。その派生ラインである「タフグミプロ」は、クセになる高弾力食感・大粒の食べ応えはそのままに、カフェインとアルギニンを配合した、より尖ったポジションの商品です。
本記事では、この「タフグミプロ」のマーケティング施策において、unerryの人流データと購買データを組み合わせ、複数のペルソナ仮説から実際の”勝ち筋”を見極めた取り組みをご紹介します。
事例取材にご協力いただいたのは、カバヤ食品株式会社 トレードマーケティング本部 リテールメディア部 竹見 憲一様です。
● 人流データに購買データを重ね合わせ、”勝ち筋”となるターゲットを可視化
● 商品コンセプトから「深夜ワーカー」「長距離運転者」という2つのターゲット仮説を構築。人流データで具体的な行動として定義
● アンケートだけでは得られない、ブランドのペルソナを見直す”答え合わせ”の材料になった
2つのターゲット仮説を、人流データによる行動条件で定義
「タフグミプロ」は、”あとひと踏ん張り”したい人を応援する商品です。
今回の施策では、商品ターゲットのニーズを起点に、そのニーズがどんな場面で生まれるかを具体化。属性や興味関心ではなく、人流データによって実際の行動に基づいて広告配信ターゲットを定義しました。
<深夜ワーカー>
コンビニでの購買データから、残業の多い広告代理店周辺で夜間の購入が伸びる傾向が見えていたことを踏まえた仮説。残業率の高い業種(商社・広告業・出版業・IT関連・情報サービス・保険など)において、平日週3回、夜20時〜24時にオフィス滞在の経験がある層を定義
<長距離運転者>
単に「車が好きな人」という広い括りではなく、実際に長時間ハンドルを握る人にこそ価値が伝わるという仮説。月2回以上、高速道路施設やガソリンスタンド(例:東北自動車道のSA/PAなど)を利用している層を定義
人流データ×購買データで見えた、勝ち筋のターゲット
定義した2つのターゲットに対し、デジタル広告を配信。AIによるクリエイティブ制作を活用し、それぞれに異なる訴求のクリエイティブを複数パターン用意して配信しました。あわせて、セグメント別に購買データを重ね合わせ、実際に商品を購入したかまで一気通貫に計測しました。
配信の反応は両ターゲットとも良好なCTRだったことから、親和性の高い相手にしっかり届き、興味を示してもらえる結果となりました。また、「長距離運転者」の購買転換率(購買CPA)は、「深夜ワーカー」の6倍という結果になり、当初想定していた以上に強い勝ち筋であることが明らかになりました。

購買CPAの差を分けたのは、モーメントの”発生頻度”だったと考えられます。長距離運転者は、移動という行動そのものが繰り返し発生し、その都度「あとひと踏ん張り」のニーズが顕在化します。「誰に」届けるかという設計だけでなく、「ニーズが繰り返し発生する習慣層」に届ける設計が購買効率を左右する、という視点は、「タフグミプロ」に限らず他のブランドにも応用できる可能性がありそうです。
INTERVIEW
アンケートでは見えない”答え合わせ”、人流データが変えたペルソナへの向き合い方
カバヤ食品株式会社 トレードマーケティング本部 リテールメディア部 竹見 憲一様
- ——カバヤ食品様について、そして「タフグミプロ」の魅力を教えてください。
-
竹見様:
- ――人流データを活用する前は、ターゲットの検証にどのような難しさがありましたか。
-
竹見様:
- ――本プロジェクトについて、率直なご感想を聞かせてください。
-
竹見様:
- ――今後、人流データの活用について、どんな展望をお持ちですか。
-
竹見様:
カバヤ食品の特徴は、一般に広く受け入れられるものだけでなく、”尖った”商品に挑戦するところにあると思います。「タフグミ」も、柔らかく果汁感のあるグミが主流だった中で硬めのグミを作り、女性がメインだったグミ業界に男性を取り込めるものにチャレンジしました。おかげさまで「タフグミ」ブランドは2025年度に年間売上高100億円を突破しました。
「タフグミプロ」は、その「タフグミ」の中でもさらに、頑張りたいモーメントに深く入り込めるものを作りたいという思いから生まれた商品です。高弾力の食べ応えはそのままに、カフェインとアルギニンを配合し、”あとひと踏ん張り”したい人をしっかりサポートする。深みのある効果を求める声に応えたものです。
「タフグミプロ」は、長時間の運転や残業、勉強のときに欲しくなる商品です。
たとえば残業が多い広告代理店の近くのコンビニで「タフグミ」がよく売れるという傾向から、「深夜の残業中に食べているのではないか」と具体的なシーンが思い浮かびます。しかし、働いている人全体への施策はさまざま打てるものの、「深夜ワーカー」に絞り込んで戦略を当てる手段がありませんでした。
他にもさまざまな仮説はありますが、そのどれが本当に”勝ち筋”なのかを確かめる手立てがなく、狙い定めることができませんでした。今回、人流データを使うことで、その絞り込みが初めて可能になりました。
スキームは非常に優れていて、期待通りのものでした。狙いたいターゲットやモーメントに対して、かなりピンポイントに当てられたという点で大成功だったと思います。精度の高さは、データ量のあるunerryさんならではだと感じています。
一般的に新商品のアンケート調査もありますが、購買意向は比較的高く出るが、実際に発売してみると、その通りには売れない、ということも少なくありません。今回は実際のターゲットに広告配信を当て、購買データまで含めて結果が出ている。自分たちが持っていたペルソナ像を、実際の購買行動で答え合わせできたのは大きかったです。
社内でもペルソナに対する考え方が少し変わりました。深夜ワーカーはこれまでの調査からも手堅いニーズがあると思っていましたが、長距離運転者の方が購買率が高かった。思い込みで描いていたペルソナと、実際に買ってくれる人が必ずしも一致しないことが可視化されたのは大きな学びです。そして、そのギャップを調べる方法があるということは、「タフグミプロ」に限らず、どのブランドでも使える、新しいカードを持てたと思っています。
こういう手法をもっと世の中に知ってほしいと思っています。多くの企業がブランドの年間計画を立てる中で、こうしたデータの使い方がなかなか組み込まれていません。
いい商品なのに、正しい相手に届かないまま埋もれてしまうブランドは世の中にたくさんあると思います。従来のペルソナやSNS戦略の答え合わせをすることで、そうしたブランドが活路を見出す一歩になればと思っています。
年齢や性別でターゲットを絞るという概念に加え、行動によって定義できるという概念があってもいい。年齢や性別を横軸、興味関心を縦軸だとすると、人流データは斜めの新しい軸を作れるものだと考えています。
[取材日] 2026年7月10日 ※記載内容は取材当時のものです。
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