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年間約250万人 「ハウステンボス」来場者をデータ分析&来場計測で広告配信から来場までの「時差」を可視化

年間約250万人 「ハウステンボス」来場者をデータ分析&来場計測で広告配信から来場までの「時差」を可視化

ハウステンボス株式会社

2022.12.01

KEYWORDS

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「ハウステンボス」は、ヨーロッパの街並みを忠実に再現した、異国情緒たっぷりの雰囲気が人気の、日本一広いテーマパークです。昼は四季の花々が、夜には世界最大1,300 万球のイルミネーションが華やかに彩る、まさに「花と光の感動リゾート」。季節ごとに開催されるイベントやオリジナルのライブ&ショー、キャラクターイベントなどにも力を入れており、いつ誰と訪れても思い出に残るエンターテインメントが提供されています。

全国から年間約250万人のお客様が訪れる「ハウステンボス」。本記事では、人流ビッグデータを活用した来場者分析と場内回遊分析、そして分析データを活かしたSNS中心の集客広告をご紹介します。

取材にご協力いただいたのは、ハウステンボス株式会社 マーケティング本部 マーケティングコミュニケーション部 広告宣伝課 矢野陸斗様とDX推進本部 情報システム部 情報システム課 兼 DX企画室 荒川勇士様です。

<この記事のポイント>
● 来場者の居住地/年代性別/リピーター構成を分析可能なダッシュボードを提供
● キャラクターイベントでは、園外行動データから「ファン層」を発見し広告配信
● 来場計測で見える「広告残存率」 広告配信から来場までの「時差」も可視化

7つの「わぁ~」 感動体験提供に向けた来場&回遊分析を実施

「ハウステンボス」では「 Our Purpose(存在意義)」として、お客様にとって「わたしが、本来のわたしらしい状態に戻れる空間」であることを宣言。五感に対する7つの「わぁ~」という感動体験を提供することを目指しています。

全国各地から訪れる幅広い世代のお客様への感動体験の提供に向けては、社員一人一人が培った“おもてなし”の経験に加えて、unerryの人流ビッグデータ活用も進んでいます。

本取り組み以前、「ハウステンボス」へはどのエリアから、どんな属性のお客様が、どれくらい訪れているかなどのデータ検証は行われておらず、肌感覚での理解となっていました。また、お客様が場内をどのように移動し、楽しまれているかの回遊実態も把握できずにいました。

そこで、お客様ニーズに寄り添う情報配信やコンテンツ設計など、マーケティング活動の質向上と、ご来場のお客様に想像以上の感動をお届けすることを目的に、unerryの人流ビッグデータに基づく来場者分析と回遊分析をご導入いただきました。

来場者分析はダッシュボードでのご提供です。継続的にデータを見ていただくことで、夏休みなど連休のあるシーズンは遠方から、レギュラーシーズンは近郊から来ているお客様が多い傾向があることや、そのボリューム感の推移を月次でご確認いただけます。

また、お客様の性別年代といった基本属性や、リピーター構成なども明らかにしています。

ダッシュボード画面 月次での性別構成を可視化

回遊分析では、場内に設置したビーコンも活用しています。時間帯ごとにどのエリアに集中しているのかや、エリア間での回遊相関、および居住地別にはどのエリアが人気なのかなども分析可能です。

レポートの一部 施設間の回遊状況を把握

来場計測で見えた「広告残存率」も考慮し、PDCAの機能する広告戦略を実行

どのエリアからの来場者なのかが分かる中で、打ち手となる集客広告も実施しています。たとえばキャラクターイベントの際には、unerryのリアル行動データプラットフォーム「Beacon Bank」のデータから、場外の「キャラクターグッズを売っている店舗への来訪者(=キャラクターのファン)」を見つけ出して広告配信しました。

そして、広告を見た方が実際に「ハウステンボス」を訪れたのか、来場率を計測することで分かったのは、特に遠方から来る場合は、通常よりも考慮期間が長く「広告残存率」も重要ということでした。

広告配信から来場に至るまでの「時差」も想定しながら、エリア×ターゲット×配信媒体の組み合わせを検証し、狙ったタイミングに狙ったターゲット層に来ていただくためのPDCAが効果的に機能しています。

※本施策においては名前や電話番号など、個人を特定できる情報は一切取得・使用しておりません。

INTERVIEW

日本一広いテーマパークが取り組むDX 「混雑可視化」でも“おもてなし”

ハウステンボス株式会社
マーケティング本部 マーケティングコミュニケーション部 広告宣伝課 矢野陸斗様
DX推進本部 情報システム部 情報システム課 兼 DX企画室 荒川勇士様

――本取り組みに至った背景について教えてください。

矢野様:
以前は、データ分析には取り組んでおらず、日本のどこからお客様が来てくださっているのかを知る術がありませんでした。

これまで社員が現場で大切にしてきた「肌感覚」が重視されてきた背景もあったと思います。しかし、現代表の坂口が着任してから客観的な数値を見る文化が全社的に生まれ、データをもって、それぞれの感覚値との答え合わせを行うことが大事だということになりました。

荒川様:
「ハウステンボス」は日本で一番広いテーマパークであり、場内移動に時間がかかります。限られた滞在時間の中で、お客様に施設やアトラクションを思い思いに楽しんでいただくためには、パーク内の通りやエリア間をどのような動線で移動されているのかを知り、効率よく回遊いただけるような場内設計や情報発信を行う必要があると考えていました。

そうした中で始まったのが、unerryさんとのデータ分析です。

  

日本で一番広いテーマパーク「ハウステンボス」

――分析結果はどのように活かすことができますか?

荒川様:
パーク内マーケティングにおける様々な課題発見に繋がると考えています。例えば、ショップ売上を伸ばそうとした場合、商品ラインナップや店舗配置などが売上への影響因子として考えられます。そして、ショップには、どんなお客様が、どんなタイミングで訪れているかが分かれば、そのニーズを推測し、改善ポイントを洗い出すことが可能です。

過去の分かりやすい例ですと、コロナ禍中、長崎県内居住者のみの入場制限を行った際には、長崎ちゃんぽんのフード売上は落ち、長崎土産定番のカステラは買われませんでした。

そうしたデータが目に見えるのは大きいです。派生していくと九州のお客様はどうか、関西や関東から来た方は何が売れるのかなど、購買データとの相関も見えてくると期待しています。

――集客広告について、ご感想を教えてください。

矢野様:
WEB広告の実施は以前も行っていましたが、クリック率が見えても本当に来場に結びついているかわかりませんでした。unerryさんとの取り組みでは、来場まで一貫して見られることが嬉しいですね。予算をどうかけたらいいのか、最適な広告配信の仕方がわかりました。

ランタンと花火が夜空を彩るイベント

以前はチケット購入やホテル予約をコンバージョンとして、主にリスティング広告に注力してきました。「ハウステンボス」なら、花にイルミネーションにと、画像を使ったSNS広告を使いたいところですが、費用対効果があまり良くなかったのです。しかし、今回の取り組みで、指標を「実来場」でも見られるようになったことで、SNS広告を正しく評価できるようになったと思います。結果的に、配信媒体の選択肢が広がったとも言えます。

また、集客広告については、キャラクターのファンなど、本来の広告配信では作れないようなセグメントを作れるのはunerryさんならではですね。ハウステンボスは特色あるイベントも多いので、今後も活かせると思います。

――分析と集客広告をご依頼いただいております。併せてご依頼いただくことのメリットを感じていますか?

矢野様:
分析ダッシュボードはマーケティング本部で共有して活用しているのですが、得られた結果を分析することで、季節やイベントごとに、どこのエリアを重点的にターゲティングしようかと、広告戦略の立案や予測にも使っています。

また、広告キャンペーンごとに効果を詳細レポートでいただいていますが、もう少しマクロで長期的な結果を見たい時は、分析ダッシュボードで検証でき、PDCAを回すのにも役立っていると思います。

四季折々の花が一年を通して場内を彩る

――分析や広告だけでなく、「混雑マップ」も導入いただいていますね。

荒川様:
はい。温泉や朝食会場の混雑状況を、サイト上でいつでもご覧いただけるようになっています。また、ホテルにご滞在のお客様にはチェックイン時、「混雑マップ」が見られるQRコードをお渡ししています。

混雑については、お客様から問い合わせがあった際に都度電話で確認するという業務が発生していましたが、ご案内がスムーズになりました。

「混雑マップ」へのアクセス数は増えてきており、またTwitter上での評判も上々です。

「混雑マップ」画面

――unerryと連携するにあたって、スタッフのスピード感や対応はいかがでしたか?

矢野様:
週に一度、定例MTGを行なっていますが、要望に対してすぐ動いてくださいます。

ダッシュボードの改善点も、定例の中でお伝えしているのですが、対応スピードは早いと思います。我々の強みも弱みも理解いただいているので、やりたいことを汲み取ってもらえる、まさに、伴走型でご支援いただけています。

――今後の展開について教えてください。

荒川様:
「ハウステンボス」では、「Our Purpose(存在意義)」を宣言しています。

2年以上続くコロナ禍など、外部環境の変化は目まぐるしく、企業として今後もさまざまな経営リスクを想定し柔軟に対応していく必要があります。しかし、どんな状況においても、この「Our Purpose」は「ハウステンボス」が変わらず大切にしていくものです。

競合にはない、ハウステンボスならではの特徴を活かして、お客様が求める感動体験をどう提供できるか、デジタルやデータ活用も含めて継続的に考えていければと思います。

世界最大1,300 万球のイルミネーション「光の王国」

[取材日] 2022年9月2日 ※内容は取材当時のものです。



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