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636万人が訪れた善光寺御開帳  境内5箇所の混雑状況をリアルタイムで可視化し「分散参拝」を促進

636万人が訪れた善光寺御開帳 境内5箇所の混雑状況をリアルタイムで可視化し「分散参拝」を促進

善光寺

2022.10.04

KEYWORDS

  • #カスタマイズ混雑マップ
  • #三密回避
  • #混雑可視化
  • #観光DX
善光寺_logo

7世紀に建立されたと伝わる名刹、信州善光寺。特定の宗派に属さず、全ての人々を受け入れる寺として古くから知られ、現在も老若男女多くの方が参拝します。国宝や重要文化財などの荘厳な雰囲気を楽しむもよし。石畳の両脇にずらりと並ぶ、ご当地の甘味やお土産店の賑わいを楽しむもよし。善光寺は、長野旅行の外せない観光スポットでもあります。

2022年4月から6月までの約3ヶ月間、七年に一度の善光寺前立本尊御開帳が開催されました。参拝者数は推定延べ636万人。善光寺はコロナ禍での異例の盛儀においても安心して参拝を楽しんでいただくため、「分散参拝」を呼びかけるべく、リアルタイム混雑状況の可視化を特設サイト上で行いました。

本記事では、株式会社ドコモビジネスソリューションズ長野支店(以下、dBS長野支店)と共に提案し、ご導入いただいたunerryの「カスタマイズ混雑マップ」の導入事例を中心に、善光寺の取り組みを紹介します。

取材にご協力いただいたのは、善光寺事務局 庶務部長 小林玄超(げんちょう)様です。

<この記事のポイント>
● 特設サイト内に、曜日×1時間ごとの「混雑ヒートマップ」をリアルタイムで表示
● unerry独自開発のIoTセンサーが境内5箇所、狭い範囲もピンポイントで混雑計測
● パートナー企業のリアルタイム中継映像も組み合わせ、安心安全な御開帳イベントに

広い敷地と点在する見どころを活かし「分散参拝」を呼びかけた

善光寺は、塀(へい)のない広大な敷地を有しています。入口が限定的でなく、また24時間誰でも訪れることができるため、入場制限などの施策が難しい構造となっています。

令和四年御開帳_中日庭儀大法要

そこで善光寺は、数多くの参拝者が見込まれる七年に一度の御開帳に向けて、特設サイト内で「施設待ち時間」「リアルタイム中継配信」、そして「混雑ヒートマップ」を表示。リアルタイムの混雑状況を伝え、複数の見どころが広い敷地内に点在していることを活かした「分散参拝」を参拝者に呼びかけました。

設置場所ごとに範囲を指定し人数計測 結果をもとにAIが混雑度を判定

「混雑ヒートマップ」はunerryの「カスタマイズ混雑マップ」よりご提供いたしました。

境内5箇所に設置したunerry独自開発のIoTセンサーが、設置場所ごとに指定したピンポイントの範囲内の人数を計測。その結果をもとにAIが御開帳イベント開催中の混雑度を「通常より混雑」「通常程度」「いつもより空いている」の3段階で推定、可視化しました。

特設サイト上に掲載された 「混雑ヒートマップ」 は自動更新され、曜日×1時間ごとの混雑状況を示しました。


<曜日×1時間ごとの混雑状況をヒートマップで表示>
<IoTセンサーの設置場所は本堂や山門付近など5箇所>

リアルタイム中継 × 混雑ヒートマップ パートナーとのタッグでより具体的に

混雑具合の把握には、本事例のパートナー企業であるdBS長野支店の5Gソリューションによる主要イベントのリアルタイム中継配信も大きな役割を果たしました。

現地の様子を直接映像で伝えるリアルタイム中継と、他の時間帯との比較で混雑度を示す混雑ヒートマップ。2つの技術を活用することで混雑状況をより具体的に伝えることができ、参拝に行くかどうかの判断を行なったり、参拝するなら空いている時間・場所を狙ったりと様々な状況の方が安心してご参拝いただけるイベントとなりました。


【4/23(土)YouTubeライブ配信】善光寺御開帳 中日庭儀大法要 浄土宗 ( 善光寺5G 御開帳5G )
<dBS長野支店が地元テレビ局と連携して提供>

※本施策においては名前や電話番号など、個人を特定できる情報は一切取得・使用しておりません。

INTERVIEW

日々変化する課題を解決するため、情報感度高く最新技術を活用

善光寺 事務局 庶務部長 小林玄超様

――「カスタマイズ混雑マップ」をご導入いただいたきっかけを教えてください。

前回開催、7年前の御開帳においては延べ700万人超の方の参拝があり、本年もかなりの参拝者数が予想されました。

コロナ禍での開催でしたので、皆様に安心して参拝いただくためには、混雑を可能なかぎり緩和することが必要だと考えました。善光寺は、入場制限などが構造上難しいこともあり、混雑を分散することが鍵だと思われたのですが、そのためには、日毎の混雑、そして1日の中の混雑状況の「見える化」が必要でした。

そうした中、dBS長野支店さんからもunerryさんの「カスタマイズ混雑マップ」をご推薦いただき、我々の課題を解決するのにぴったりだと思いお願いすることになりました。

――「混雑ヒートマップ」を具体的に活用された場面はありましたか?

宿坊にお泊まりになったお客様に、ご案内する際に活用しました。特設サイトの「混雑ヒートマップ」をご覧いただきながら、「この時間は混んでいるので、ここから回ったらよいですよ」とお伝えする際には直感的にわかりやすく、説得力あるデータになったと思います。

お客様からは「お寺って、こんなこともやっているんですね!」と驚かれました。

善光寺 事務局 庶務部長 小林玄超様
――歴史あるお寺にunerryの最新技術を導入いただけたのは嬉しく思います。今後もこのようなデータ活用を進めていく予定なのでしょうか。

善光寺としても、コロナという喫緊の問題を前にして、進めた面はあると思います。

今後に関しては、現在の継続を前提にするのではなく、目まぐるしく変化する世の中の状況に合わせて何が必要かを考えながら必要なことをやっていきたいと思います。

引き続き、「混雑可視化」が重要になるのか、はたまた縁日や大祭など賑わいを取り戻すことが求められるのかは分かりません。

しかし、新しい技術や事例には常に情報を感度を高く持っていたいので、unerryさんにも情報提供をお願いしたいです。歴史あるお寺だからこそ、新しいことを取り入れ、次代に繋げていきたいですね。

画像提供:善光寺

[取材日] 2022年8月1日 ※内容は取材当時のものです。

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