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2026.05.01

うねりの泉編集部

ブログウォッチャーがunerryグループにジョイン ― 2つのデータカンパニーが、ONE TEAMになる日 / unerry&ブログウォッチャー 代表インタビュー

ブログウォッチャーがunerryグループにジョイン ― 2つのデータカンパニーが、ONE TEAMになる日 / unerry&ブログウォッチャー 代表インタビュー
2026年5月1日。株式会社ブログウォッチャーが、unerryグループの一員となりました。位置情報データを起点に、それぞれの道を歩んできた2社のトップが対談。データが社会を変える可能性、2社が合わさることで何が生まれるのか。そして、ともに歩むメンバーへの想いを語ります。

株式会社unerry 代表取締役社長CEO 内山 英俊(うちやま ひでとし)

ミシガン大学院でコンピューターサイエンスを学ぶ傍ら研究所でAIエンジニアとして勤務。
外資系コンサルティング会社にて、事業戦略・企業再生などを手掛けた後、事業会社を経て、2015年unerryを創業。業界団体LBMA Japanの理事を務めるなど位置情報業界の発展にも努める。「EY アントレプレナー・オブ・ザ・イヤー 2022 ジャパン Exceptional Growth部門」受賞。趣味は書道とフライトシミュレーター。
出張先のお菓子を社内でシェアしながらの、ちょっとした雑談が好き。

株式会社ブログウォッチャー 代表取締役 新村 生(にいむら のり)

大手印刷メーカーでのエンジニア経験を経て、2013年にリクルートキャリア(現リクルート)に入社。HR事業において新卒採用・育成支援領域の法人営業を担当。MVPや全社アワード、イノベーティブな取り組みに贈られる「TOPGUN」など受賞。2021年にブログウォッチャーに参画。営業・事業開発・組織づくりに取り組む。2024年4月に社長着任。
マイルーティンは毎朝のヨガ。ラーメン大好き。

「ともに高いレベルを目指そう」 グループインにつながる2社の共鳴

ーーunerryとブログウォッチャー、2社の親和性を感じ始めたのはいつ頃からでしょうか。

内山:2019年、位置情報業界団体である「LBMA Japan」の設立メンバーかつ理事としてunerryとブログウォッチャーが参画しました。データ利活用に関する共通ガイドライン策定にあたって、unerryとブログウォッチャーは「妥協せず、高い水準のものを作ろう」と手を取り合っていました。

活動を通じて気づいたのが、ブログウォッチャーの「プロファイルパスポート」と、unerryの「Beacon Bank」が目指している世界観の近さです。生活者の状況を正しく把握して、その人に合った情報を届けるという理念が、ほとんど重なり合っていました。

「現場が動く」 業務提携で見えた、予想以上の親和性

ーー2024年には実際に業務提携が行われました。実際に仕事をしてみて、印象は変わりましたか。

内山:良い意味で、予想を超えていました。企業の業務提携における進捗はさまざまですが、私たちの場合は現場レベルでどんどん動いていきました。メンバーが「もっとここまで、ここも連携していいですか?」と前のめりで聞いてくれるくらい。トップリレーションがきっかけで始まった提携でしたが、実務を通じてあらためて親和性の高さを実感しました。お互いのデータを活用することで、自社だけでは足りない部分を補えるという実ニーズがありました。

新村:お互いのデータを活かせることが、純粋に嬉しかったですね。データ量が増えると広告効果も出やすくなる。お客様へ提供できる直接的な価値の手触り感があるから、現場も自然と前に進んでいったと思います。

内山:「SDK方式」でこの規模のデータ取得とプラットフォーム化をできている主力の2社が持つ、他の誰にも相談できなかった「大量のデータをどう加工し処理するべきか」という切実な悩みを相談しあえるというのも大きかったですね。

新村:データプライバシー重視の姿勢や、データを扱う上での葛藤のポイントがとても近い。一方で、顧客資産や得意領域が異なることも良い意味で理解できて、一緒になることでお互いの成長を加速できると感じました。内山さんの「不必要な戦いはせずに共に市場拡大を目指す」という考えや、個人を尊重し期待するという人への向き合い方も、その確信を深めてくれました。

国内年間1兆件規模のリアル行動データが実現する、「ワールドモデル」

ーーunerryグループでは、国内年間1兆件規模のデータを扱っていくことになりますが、社会にどんな変化を起こせますか?

新村:社会を理解するための解像度は、確実に上がっていくはずです。データ量が少ないと、地方など人口の絶対数が少ない場所での分析が難しいことがあります。しかし、データ量が増えれば、日本の隅々まで見えるようになる。多様なロジックを活用することで推測の精度を高めることができるし、さまざまなデータと組み合わせることで、社会をもう一段、立体的に理解できるようになっていくと思います。

内山:unerryグループとして中長期的に目指すのは「ワールドモデル」の実現です。「リアルな社会をデータでモデル化する」という考え方で、「デジタルツイン」にも近しい概念です。データのカバー率、偏りのなさ、シミュレーションの精度など、さまざまな要素を積み上げていく必要がありますが、2社のデータを連携することで、その実現に大きく近づけると思っています。

<unerry 2026年6月期 第2四半期 決算説明資料より>

ーー「ワールドモデル」を目指す背景について、詳しく教えてください。

内山:AIが顧客企業に急速に導入されていることで、ビジネス環境が大きく変わっています。これまでサービスプロバイダーが強みとしてきたAIの優位性は薄れ、顧客企業がソフトウェアも自社で作れたり、業務をAIエージェントで実行できるようになる。そうすると、今まで外部のSaaSに預けていたデータも自社で持っていればいいということになり、気づけば顧客企業の中で「データ」「ソフト」「AI」の3つが揃うことで、サービスプロバイダーの存在意義が問われる時代が来ています。

そんな中で相対的に優位性を持ち続けられるのは、顧客企業が自社では決して持ち得ないデータを提供できるか否かであり、人流データはまさにそれにあたります。ただ、そのデータは年間1兆件を超えますし、そのままお渡しできるものでもない。整合性が取れているか、偏りがないか、安定しているか、予測に使えるか。そういった形でデータをあらゆるAIと組み合わせやすい状態にしていくことが重要です。

世の中でいう「AI Ready」とはこのデータセットの整備までを指すことが多いと思いますが、私たちが目指しているのはその先です。私たちのデータを使うことで、顧客企業のAIが実際にかしこくなり、ビジネスインパクトが生まれるところまで価値を届ける。そこまでを含めて、私たちは「AI Ready」と考えています。そうしたビジネスモデルの変革そのものを「ワールドモデル」の実現によって目指したいと考えています。

新村:「ワールドモデル」は、リアルな行動データを扱うからこそ実現できるモデルでもありますよね。WEBとリアルのデータ、両方を捉えることで、より深く生活者のコンテクストを理解した意思決定や体験の提供ができるようになります。

人の流れはお金の流れ、物の流れと連動している。リアルな世界を理解し、もっといい未来への願いをかけられる”魔法の箱(マジックボックス)”を作り得るのが、私たちのデータだと思っています。どれだけ早くその世界に行けるかが楽しみです。

ーー日本のデータ活用は世界と比べてまだ遅れているといわれています。その現状をどう見ていますか。また、unerryグループとしてどう変えていきたいですか。

内山:成功体験をいかに多くの日本企業に作れるかが勝負だと思っています。AIやデータに対して、まだ漠然とした抵抗感をもつ企業は多いですが、実際に体験してみると変わります。私たちが顧客企業に入り込み、安全な環境の中でデータ活用やAI導入の成功体験を一緒に作っていく。それによって顧客企業がさらに投資をし事業成長を果たしていく。そうしたサイクルを生み出すことに、社会的な意味があると思っています。日本はデータ活用においてまだ大きな伸びしろを持っている市場です。そこに対して、私たちにできることはまだまだあると思っています。

新村:日本の人材流動性が低いことも課題の一つだと思います。業界によっては、データ活用のリテラシーが高い人材が内部で育ちにくく、外から入ってくることも少ない。私たちが顧客と同じゴール実現を志す仲間として顧客企業を強くしていくことで、そうした構造が少しずつ変わっていけると思っています。ただ、人流データやその組み合わせの可能性の深さは、まだ伝わりきっていない状況。初めましてのお客様にデータの活用幅をお伝えすると、十中八九驚いてもらえます。今回のグループインによって、圧倒的なデータ量や両社が培ってきた人的資本、ノウハウが結合していくので、その力を、もっと多くの企業や社会に届けていきたいと思っています。

「お客様のため」という共通の志と、それぞれの個性

ーーunerryとブログウォッチャー、企業カルチャーとして似ていると感じるのはどんなところですか?

内山:ブログウォッチャーでは「自由」、unerryでは「民主的(自分で決める)」というキーワードが浸透しています。表現は違いますが、言おうとしていることはほとんど同じだと思っています。仕事を進めるときのパワーやスタンスも共通していて、立場も年齢も関係なく、お客様とプロジェクトの成功のために瞬間瞬間を全力で動く。そういうマインドが自然と重なっていました。

新村:顧客ファーストというところは本当に通底しています。社内の議論よりも、お客様のためのチームがすぐに出来上がる。それからデータを預けていただいている生活者のプライバシーを最重要と考え、時代が変化する中でも最新・最善の水準であり続けようとする姿勢も、両社に共通しているところだと思います。

ーー逆に、違いを感じるところは?

新村:ブログウォッチャーは仕組み化して広げることが得意です。その分、最初の一歩を踏み出すまでに、じっくり見極める時間をかけることがある。unerryの方が、チャンスに対して動きが早いと感じます。

内山:unerryはゼロから事業を作り上げてきた後発組です。機会があったらとにかく全力で飛び込む、というのが自然と文化になっていました。その結果、その業界での最新事例を作ったり、顧客課題の解決を全力でご支援することで得られる業界知見なども重ねてきました。ただ横展開の仕組みができる前に取り組みが成長して、必死に頑張るということも(笑)。

新村:でもそこが補い合えると思っていて。unerryが深く入り込んで価値を作り、それをブログウォッチャーが仕組み化して広げていく。今はちょうど、その仕組み構築の前夜にいるようなイメージで、組み合わさると一気にスケールできる予感がありますね。

ーーメンバーのキャラクターという観点ではどうでしょうか。

新村:ブログウォッチャーはリクルートの企業カルチャーを受け継いでいて、自己開示が得意な人が多い印象です。深く問われたときにきちんと開示できるし、人と人が混じり合う面白さを知っているなと感じます。

内山:unerryは出身業界の幅が本当にバラバラで、国籍も年代も経歴も多様です。その多様性の中でお互いをきちんと理解しようとするカルチャーがあるので、どちらかというと聞くのが得意なメンバーが多い。でも一方で、やりたいことを強く持っている人も多いので、傾聴しつつも「やりたいことは私がやる!」という空気が共存しているのかなと思います。

違いこそ、強さ。楽しみながら、新しい価値観を一緒に作っていく

ーーグループとして一体になって、まず取り組みたいことは何ですか。

内山:短期的には、unerryの深く入り込む強みとブログウォッチャーの仕組み化の強みを掛け合わせて、リテールやまちづくり、広告の領域で事業基盤を強化していきたいです。そして、中長期的には「ワールドモデル」の実現へ。リアルな社会をデータとAIで再現し、あらゆる産業の意思決定を支えるインフラになっていくことを目指します。

新村:社内文化の面では、まずお互いのリスペクトを土台にしたいと思っています。違うことは良いことで、違いこそが強さだと全員が思えるような組織にしていきたい。そして、お客様への貢献事例を一つひとつ積み上げて、それを再現性のある形に育てていく。新しい挑戦を讃える文化が根付いていけば、自然とそのサイクルが回っていくと思っています。プライバシーへの向き合い方など、共通のルールをしっかり作っていくことも大切にしていきたいと思っています。

ーー最後に、両社のメンバーへメッセージをお願いします。

新村:「広がった機会と可能性を、自分たちらしく楽しもう」と伝えたいです。今まで自分たちの中にあったものにとらわれず、思いついたことをどんどん発露してほしいです。

内山:近い価値観だから一緒になったけど、育った環境も、お客様も、人も違う。一つの家庭を築くように、「ONE TEAM」としてお互いの違いを認めながら、新しい価値観を一緒に作っていきたい。過去にこだわらず、変えていくことを楽しみながら、一緒に進んでいきましょう。

※写真は「WeWork日比谷パークフロント」にて撮影

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