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行動傾向をカテゴリ毎に偏差値化し、顧客像をよりシャープに分析。 リアル行動ビッグデータで、エリア全体の価値を向上させる不動産運用実現へ

三菱商事・ユービーエス・リアルティ株式会社

行動傾向をカテゴリ毎に偏差値化し、顧客像をよりシャープに分析。 リアル行動ビッグデータで、エリア全体の価値を向上させる不動産運用実現へ

三菱商事・ユービーエス・リアルティ株式会社は商業施設に特化した日本リテールファンド投資法人(以下JRF)をはじめとする3つのJ-REITを運用しています。JRFの資産運用会社として、表参道GYREをはじめ都心部を中心に商業施設を102物件運用し、約1,000テナントとのリレーション、空間プロデュース、プロモーション等の柔軟な運営力による資産価値向上を目指しています。

今回は、unerryが保有する位置情報ビッグデータを活用し、表参道エリアに立地する商業施設の来場者⾏動特性を明らかにした同社の分析事例についてご紹介します。お取り組みを進める中で、新型コロナウイルスの感染が拡大。期間前後の比較を行うことで捉えた変化も、施設運営を行う上での大きなヒントとなりました。

取材にご協力いただいたのは、同社リテールマネジメント事業部の大島 英樹様、宮﨑 望様、上原 佳苗様。データ活用の今後の展望についても深くお伺いしました。

顧客の館外行動傾向をカテゴリ毎に偏差値化しマインドを把む

表参道に位置するGYRE、ラ・ポルト青山は、洗練されたブランドショップやレストランが集う複合商業施設です。

本取り組みでは、三菱商事・ユービーエス・リアルティが運営するこの2つの施設の商圏分析や、来訪者の近隣エリアにおける回遊状況のほか、施設内にビーコンを設置し、来場されるお客様たちの日常行動のパターンから行動特性の分析を行いました。

今回行った行動特性分析においては、お客様が外出時に訪れる場所を「外食」「ショッピング」「生活・サービス」などを中心とした約200の場所カテゴリーに分類し、指定した期間内に足を運ぶ割合を偏差値化しました。

グラフは「Beacon Bank®」提携アプリユーザー全体の行動傾向を偏差値50としたときに、期間内にご来店されたお客様が足を運ぶ傾向の度合いをカテゴリごとに示しており、この指標をunerryでは「行動DNA」と呼んでいます。

行動DNA分析(GYRE)
行動DNA分析(GYRE)

行動DNA分析(ラ・ポルト青山)
行動DNA分析(ラ・ポルト青山)

GYREとラ・ポルト青山を訪れるお客様の行動特性は、「レストラン」「ファッション・アクセサリーショップ」「専門店(食料品店、酒屋、書店など)」が高い数値となる一方、「ファミレス」「スーパー」で低い数値となっている等の点において類似の傾向が見られました。

これらの結果から、この2施設を訪れるお客様はいずれも外食傾向が強く、お洒落でホンモノ志向、良質なものに価値を見出す都市型なマインドをお持ちであることが推察されます。

注:
※本分析においては個人を特定できる情報は一切取得・使用しておりません。また、取得した行動情報は統計情報化しています。

エリア全体の変化をマクロで捉え、顧客行動の変化をミクロに分析

しかし、分析を進めていた中、新型コロナウイルスの感染が拡大しエリア全体の人流や、人々のライフスタイルは大きく変わっていきました。

予測不可能な状況においてこそ、ビッグデータ活用で状況を正しく判断することが必要であると考え、unerryと三菱商事・ユービーエス・リアルティはその変化を捉えるための新たな分析を行いました。

まずは、2施設が位置する表参道および周辺エリアにおける全体の人流変化を「Beacon Bank®」上で把握しました。

以下の図は1月末を100%としたときに、各エリアの人流ボリュームがどう推移しているかを示したものです。緊急事態宣言中のゴールデンウィーク頃には20%程度の⼈出となり、外出自粛の効果が顕著に見られましたが、8月頃には40〜50%程度に戻るなど、ゆるやかに人出は回復してきたことがわかります。

covid-19状況下におけるエリア内の⼈流変化(時系列推移)

行動傾向においては感染拡大前の「2019/11/19~2020/1/31」と拡大が広がった「2020/2/1~2020/7/31」を詳細カテゴリごとに前後比較。表参道エリア全体での傾向と照らし合わせながら分析を行いました。

たとえば、「ラ・ポルト青山来店客層と表参道エリア来訪者の外食傾向」を期間別に比較したこちらのデータからは「グルメ」分野において表参道エリア来訪者は、感染拡大前より、多様なジャンルのレストランの利用を行う傾向が強まっていることがわかります。

また、ラ・ポルト青山においては、引き続き専門レストランを中心とした利用が高い傾向にあることも示されています。

※数値は偏差値であるため、全体ボリュームが増えたことを示すものではありません。

<ラ・ポルト青山来店客層・表参道エリア来訪者の外食傾向(対象期間:2019/11/19~2020/1/31)>
※数値は外食傾向INDEX。60以上は、他者と比べ強い傾向にあることを示す。

<ラ・ポルト青山来店客層・表参道エリア来訪者の外食傾向(対象期間:2020/2/1~2020/7/31)>
※数値は外食傾向INDEX。60以上は、他者と比べ強い傾向にあることを示す。

“beforeコロナ”と比較すると、より⽬的意識が強いユーザーが表参道エリアに来訪するようになったと推測されますが、その中でもラ・ポルト青山を訪れるお客様は引き続き、こだわりをもったライフスタイルを求めていることが示唆されます。

世の中が大きく変化する中、エリアや顧客の行動特性は何が変わり、何が変わらなかったのか。位置情報ビッグデータがそうした状況把握に貢献した事例となりました。


-interview-
三菱商事・ユービーエス・リアルティ株式会社
リテール本部 リテールマネジメント事業部部長 大島 英樹様
リテール本部 リテールマネジメント事業部 アセットマネジメント第2チーム 宮﨑 望様
リテール本部 リテールマネジメント事業部 アセットマネジメント第1チーム 上原 佳苗様

unerryは、走りながら一緒に軌道修正を行える、スピード感のあるパートナー

ーunerryをパートナーに選んでくださった決め手を教えてください。

日本最大級のビーコン登録数、連携アプリの多さ等から来館者のデータ理解が最もできるパートナーであると考えました。また、データ解析だけでなく、コンサルティングスキルや、分析結果を踏まえての販売促進などの具体的な施策まで一貫して組めることが決め手となりました。

実際にご一緒する中では、スピード感のあるお取り組みができたと思います。最初から100点満点を狙うような、大掛かりなことを考えるとスタートが難しくなってきてしまいますが、今回はまず表参道エリアの分析から始め、優位性を確認できたことで、川崎ルフロンなど他エリアの物件にも水平展開も進めています。また、商圏分析と行動特性把握だけでなく、施設の業態や状況に合わせ、集客施策や自社商業施設アプリのマーケティング施策など取り組みも広がっています。

できることからスタートすることで、その後の意思決定もスピーディーになります。失敗を恐れるよりは、一緒に走りながら軌道修正できるパートナーとして一緒にやっていきたいと、常々考えています。

不動産運用の「これまで」を変える | エリア全体の活性化を自社物件の価値向上に繋げる

ー今回のお取り組みや分析結果について、感想を聞かせてください!

「Beacon Bank®」を活用することにより、感覚値ではなくデータで来館者を理解出来ることに非常に優位性を感じました。

これまでは、購買データや他社動向レポート等を基礎データに、来館者リサーチについては、アンケートなどアナログ調査に頼る部分が多い状況でした。しかし、アナログ調査に協力してくださる方は一部だったり、実施時期も限られるため、データに偏りが出たりと、結果的に担当者の感覚値に頼ってしまうことに課題感を持っていました。

今回、「Beacon Bank®」を活用してエリア人流を可視化でき、また、来館者属性を理解できたことにより、賃料設定や、販促活動、テナントリーシング活動にも活かせるのではないか、というイメージが具体的に湧きました。

例えば、今回の分析結果からは、勤務地や立ち寄り先、性年代等の来館者の人流把握だけでなく、来館者の傾向として「ある習い事への関心が高い」というような具体的なインサイトも得ることができました。

そういったことがわかると、これまであまりフォローできていなかった切り口で、ご来館をいただけるようアプローチできるので「新しい伸び代が発見できた」と感じましたし、データによる裏付けをもって販促活動・リーシングの企画や効果検証にあたれると感じました。

GYRE外観

GYRE外観

ーデータを活かした今後のお取り組みについて、御社の展望をお聞かせください。

今後も社会構造や生活様式の変化に伴い、用途の複合化等、不動産マーケットの在り方も大きく変化していく可能性があると認識し、柔軟で積極的な資産運用に努めていきたいと考えています。そのため、不動産の投資運用に幅広くデータを活用していきたいと考えています。

また、物件を購入する際の判断材料の一つになる可能性もあります。当社は小売環境の変化を見据え、表参道・神宮前エリア等、運営力を活かせる立地優位性の高い都心部での物件取得を2013年より進めてきました。新規取得の物件についてもunerryと分析を進めることで、既存物件との相関や類似性を踏まえた上でのテナント構成が可能となり、積極的に交渉を進められるなどの効果が期待できるのではないでしょうか。

ただ、今後は1施設で競争するだけでは、生き残れないとも考えています。既存物件個別ではなく、相関のある物件同士で施策をうまく連携させて集客や回遊の相乗効果を図るのはもちろん、自社物件だけでなくエリア全体を活性化させることで結果的に自社物件が賑わい、テナント様の売上が向上し、物件価値も上がっていくような流れが理想的ではないでしょうか。そのためには、人流分析をはじめ購買履歴等様々なデータ分析に基づいた施策をさらに推し進めて行く必要があると考えています。

エリアと施設の特性をデータで理解し、各施設とどう連携していくべきなのかを面で捉え有機的に繋げていけるような施策を展開していきたいと思います。



※記載内容は取材当時のものです。

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